2007    エクステリアデザイナー向け 「デジタルカメラ セミナー」より
無断転用・記載 厳禁
第一部
1. 写真機(カメラ)基本構造
光学式    レンズ(広角望遠の違い)
単眼     絞りと被写界深度の関係     シャッタースピード

2. デジタルカメラの特徴
その場ですぐにチェックできる     (屋外ではモニターが見にくく充分なチェックができない)
カメラの構え方の変化 (手ブレしやすくなった。  最近は手ぶれ補正機能付もある)
ランニングコストがほとんどかからない     ←撮影枚数を増やそう

3. 最近のコンパクトデジカメの機能について
オートフォーカス (ピントを合わせる位置の確認、フォーカスロック)
自動露出 (逆光時補正の仕方、 背景が白い場合は+、黒い場合は−補正)
ホワイトバランス(オート、プリセット、マニュアル)  ←通常はオートでOK
各モード(ポートレート、風景、マクロ、夜景) ←カメラ説明書参照
内蔵ストロボ(強制発光、発光禁止)    縦位置で構える場合の注意 ←発光部はレンズより上に

4. 手ブレしにくいカメラの構え方
三脚・一脚の利用 (代用方法・・・壁・木にもたれかかる、傘を利用する)



第二部
    実例プロジェクター映写
1.  広角レンズの威力と注意点 (遠近感の強調・構図の難しさ)

2.  水平垂直の大切さ

3.  どんな天気の時が撮影に向いているか
無難さでは曇り日
積極的に光を利用するなら薄曇りの日
晴天時は影が強く非常に難しい (屋外に洗濯物が干してある事が多い)
時間帯 (9時〜15時位)  薄曇り日は16時頃まで (季節にもよる)
(基本的には光がある限り、だが、失敗しない安全時間帯は上記)

4.  影の部分の補い方 (レフ板・内蔵ストロボ使用)

5.  夜景の写し方 三脚利用・感度アップ・時間帯(日没直後残照あり)・補助光利用

6.  シャッターを押す前の準備(ゴミ拾い、アングルの決定)

7.  よいアングル・よい構図とは (黄金率・濃淡、色による割合の変化)

8.  奥行きの有る写真の撮り方 (手前と奥にポイント配置)



第三部
     二部のプロジェクター映写を踏まえての少し専門的な難しい話
1.  広角レンズの使い方

2.  正確なピントのあわせかた

3.  液晶画面の見方 (真正面から)

4.  逆光時のハレーションの防ぎかた (レンズに直接太陽光線が入らないように)

5.  複数枚露出を変えて撮る(明るめ・暗め)

6.  アングルを変えて撮ってみる    一歩近づいて撮ってみる

7.  低いアングル・脚立等に上がって撮ってみる

8.  画面に余計なもの(通行人・通行車両)が入る場合、 画面からいなくなるまで待ってみる

9.  ガレージ内のクルマは極力出してもらう

10. カーテン・ブラインド・雨戸・窓の処理 (意外と気になる)
撮影画面の隅々までチェックしてみる
(自分が絵を描く場合、 絶対に描かないであろうというものは極力排除)

11. 後で画像処理する事を前提にした撮影の仕方
(電線・電柱等が無地背景にあれば処理は楽だが、 写したい肝心の物に重なっている場合は非常に大変! 消去した後にその下に隠れて見えなかったであろう物を描かなくてはいけない)



第四部
    デジタルカメラ特有の話
1.  何万画素で撮ればいいのか (Web用、印刷用)
Web用は最終100万画素もあれば充分だが、途中の画像加工段階ではサイズが大きい方が作業は楽。 それと、細かいパターン(タイルの壁、レースのカーテンetc.)がCCDと干渉してモアレ現象(渦巻き状の変なノイズ)起きる事もあるので、その場合でも大きなサイズの方が有利。
印刷・プリントには、最終出力サイズにもよるがやはり400万画素以上ある事が望ましい。 ひとつの目安として300万画素でLサイズ、600万画素で2Lサイズ、1000万画素超でA4サイズがきれいに出力できる。

2.  ISO感度について     (感度を上げるほどノイズは増える)

3.  色空間について (sRGBとAdobeRGB)
sRGBは一般向け (PC画面に最適)
AdobeRGBは印刷作業向け(専門の知識がないと扱い辛い)

4.  JPEGとは    (非可逆圧縮と可逆圧縮の違い、 Fine, Normal, Basic) ←通常はNormalで特に問題なし。
同じファイル容量なら小さいサイズ(画素数)でFineにするよりも大きなサイズでNormalの方が画質は有利。 JPEG画像は再保存を繰り返すと画質が落ちる。

5.  RAWデータとは
後で画像データを素材として色々いじくり回すにいいが、一般的には扱いにくい。 RAW現像ソフトがないと画像が見れない。現像にも時間がかかる。 データサイズは非常に大きい。

6.  なぜ1677万色?  (色の加色混合の3原色R,G,Bの各色を256諧調で表現し、その3乗が16,777,216)

7.  8bitデータと12bitデータの違い (8bitは256諧調)
理論上12bitの方が諧調は豊富だが、それを再現するパソコンのモニターが1677万色なので、実用上は大差ない。 ハイエンドデジタルカメラは対応しているが一般的なコンパクトデジカメには関係ない。 (12bitは理論的には4096諧調の3乗で68,719,47万色というとんでもない情報量)

8.  デジタルは白飛びに弱い (極端に+補正し過ぎないように)

9.  補正データは別名保存が基本。オリジナルは捨てずに保存しておこう

10. カメラのレンズはいつもきれいに (ブロワー、メガネ拭き等を使用)

11. メモリーカードは静電気に弱い (寿命は半永久的なものではない)
カメラと電気信号のやり取りをする金属接点の汚れにも時々注意
撮影が終わったらすぐにPCあるいは外付けHD、CD-R等にデータを保存
            



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        by  伊藤 善規  
© ITOH STUDIO   

2007年4月に 某大手住宅エクステリアメーカーからの依頼をいただき 社員のエクステリアデザイナー40余名を対象に「自分の作品
(エクステリア)を如何にすればイメージ通りに写せるか」というテーマで撮影実例のプロジェクター映写を織り交ぜ 約3時間の講習を行ないました。 その時の原稿を基に後日まとめたものです。(撮影対象物が限定されていますので 一般的でない部分もありますが・・・)